マウスピース矯正の治療期間と来院頻度について
マウスピースを使用した矯正治療には、全体矯正と部分矯正の二種類があり、それぞれ治療期間が異なります。
部分的に前歯を対象とした矯正では、平均で3ヶ月から1年の治療期間が見込まれます。
一方、前歯から奥歯にかけての全体矯正を行う場合、治療は通常2年から3年程度かかります。
※あくまで平均的な期間であり、患者様の具体的な状況や歯並びの複雑さによって治療期間には個人差があります。
全体矯正と部分矯正はで治療期間が違う理由は、使用するマウスピースの枚数が関係しています。
一般的なマウスピースの枚数は以下の通りです。
マウスピースの交換周期はどちらの矯正でも約7日ごとに同じですが、必要な枚数が多い全体矯正は、部分矯正に比べて長い治療期間が必要になります。
また、部分矯正ができるケースは限られており、希望する全ての患者様が部分矯正で治療を受けるわけではない点にも注意が必要です。
マウスピース矯正を行う際の来院回数は、一般的に2〜3ヶ月に一度が目安です。
インビザライン矯正では、初めの段階では月に一度の頻度で来院が必要になります。これは治療の初期に患者様の進捗を確認し、必要に応じて調整を行うためです。治療が進むにつれて、来院の間隔は2〜3ヶ月に延びます。
最終段階では、矯正治療を終えた後に保定装置(リテーナー)の装着をします。この期間も定期的なチェックが必要で、2〜6ヶ月ごとの来院が推奨されます。定期的に歯科医院へ通うことで治療効果の持続と歯の状態を保つことができます。
ただし、来院頻度は、治療の進行に合わせて調整されることがあり、患者様一人ひとりの状況によって変動する場合があります。
マウスピースを使用した矯正治療では、1日あたり20時間から22時間の装着が求められます。これには全体矯正と部分矯正の両方が含まれます。
マウスピース矯正のメリットはその取り外しやすさにありますが、食事や歯磨きの時間を除くほぼ全ての時間での装着が必須です。
治療は、この装着時間を前提として計画されており、装着時間を厳守しないと治療の進行に影響が出ることがあります。例えば、マウスピースを週に一度交換する際、適切な装着時間を守っていないと新しいマウスピースが適切にフィットせず、痛みを感じることもあります。
多くの患者様は、矯正治療を可能な限り早く終わらせたいと思っていますが、治療期間が予想以上に延びる場合があります。特にマウスピース矯正では、以下のようなケースが治療期間の延長につながってしまいます。
マウスピース矯正は、定められた装着時間を守ることが大切です。治療計画は患者様が毎日指定された時間、マウスピースを装着しているという前提で作成されます。装着時間が不足してしまうと、歯の移動が計画通り進まず、結果的にマウスピースの交換周期が長くなり、治療期間が伸びることになります。
マウスピースを習慣的に装着するためには、食事や歯磨き以外は常に装着するようにしましょう。治療の初めの頃から装着を日常の一部として取り入れ、忘れずに装着するためにスマートフォンのアプリやアラームの設定などのツールを活用することがおすすめです。
マウスピース矯正では、マウスピースがそれぞれの歯に適切にフィットし、均等に圧力が加わることが重要です。治療の初期には患者様も正しく装着することに気を付けるものの、時間が経つにつれて歯を使ってマウスピースを噛みしめることで装着する人が増えます。この方法ではマウスピースが正しく装着されていない可能性があり、これによって破損やお口の中の損傷を招くリスクも高まります。
マウスピースを装着する際は、手で正確に位置づけることが基本です。装着後はチューイーを使用して、マウスピースと歯の間に隙間がないことを確認し、歯にフィットをさせることが大切です。
さらに、新しいマウスピースに交換する前には、現在使用中のマウスピースが完全にフィットしているかを確認することが必要です。もしフィットしていない状態で新しいマウスピースに交換してしまうと、矯正治療の進行にずれが生じ、最悪の場合はマウスピースを作り直さなければならなくなる可能性があります。正しい装着を心がけることで、治療期間を無駄に延長することなく、効果的に進めることができます。
矯正治療で抜歯が必要な場合があります。抜歯によって生じた隙間を埋めるために周囲の歯を移動させる必要があります。歯はゆっくりと動かす必要があるため、抜歯をすることで治療期間が長引くことが一般的です。
叢生は、歯が不規則に重なり合ったり、正常な位置から大きくずれて生えている状態を指します。このような場合、歯並びを整えるためには歯列全体を広げたり、特定の歯を後方に移動させるなどの複雑な調整が必要になります。それにより、治療期間が通常よりも長くなることが多いです。さらに、重度の叢生は抜歯が必要になることもあり、これがさらに治療時間の延長を招く原因となります。